映画の数字を見ていくブログ

映画業界とは全く関係のないただの映画と映画館の盛り上がりが好きな人間が、趣味で数字を見ていくブログです。

劇場版鬼滅の刃無限列車編の来場者特典が450万部だったのは多分ワンピースが基準だよという記事

二本目の記事も鬼滅の刃の記事です!やっぱり大きい数字だから見応えあって調べてて私が楽しいしね!

鬼滅の刃の来場者特典コミックスは先着450万部でした。

入場者特典 | 劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編公式サイト

この「450万部」という数字、どこが元ネタなのでしょう?  

歴代ジャンプアニメの来場者特典コミックスの部数と興行収入

とりあえず、「ジャンプのアニメ映画」かつ「来場者特典がコミックスのもの」について、10年分くらいで思いつく限りのものを調査してみました。

※ソート順としては原作漫画種類順かつ公開日が早い順、にしてます。

※できる限り公式が発表したと思しきメディアの記事を集めますが、それがない場合にはWikipediaを参照しています。

興行収入に関しては一番正確でソースを示しやすい情報である映画製作者連盟*1の年末に発表されるデータが10億以上のものなので、10億以下のものはxで表示

タイトル 公開日 特典名 部数 最終興行収入(億円)
劇場版BLEACH 地獄篇*2 2010.12.3 The Hell verse  100万 x
ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-*3 2012.7.28 DVD「MOTION COMIC『NARUTO 150万 14.8*4
THE LAST -NARUTO THE MOVIE-*5 2014.12.6 オフィシャルムービーBOOK NARUTO-ナルト-秘伝・列の書 150万 20.0*6
BORUTO-NARUTO THE MOVIE- 2015.8.7 NARUTO-ナルト-[秘伝・在の書]オフィシャルムービーBOOK 200万 26.2
HUNTER x HUNTER 緋色の幻影*7 2013.1.12 コミックス0巻 100万部 12.2*8
劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ*9 2013.7.6 コミックス 零巻風メモ帳  記載見当たらず 17.0
僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~*10 2018.8.3 No.0 ALL MIGHT:RISING 100万 17.2
僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジン*11 2019.12.20 僕のヒーローアカデミア vol.R 100万 17.6*12
ONE PIECE FILM STRONG WORLD*13 2009.12.12 ONE PIECE 巻零 150万+100万*14 48.0*15
ONE PIECE FILM Z*16 2012.12.15 ONE PIECE 第千巻 200万+200万*17 68.7*18
ONE PIECE FILM GOLD*19 2016.7.23 777巻 500万 51.8*20
ONE PIECE STAMPEDE*21 2019.8.9 巻壱萬八拾九 300万 55.5*22

どうやら基本部数は100万部からで、ワンピースが圧倒的な強さを誇っているのがわかります! 基本的に在庫が残さないは商売の基本なので、多分GOLDが500万冊配りきれなかった(50億円タイミングで375万人)*23からSTAMPEDEは300万冊にしたんだろうな……

ちなみにワンピースで一番売上が高いFILM Zに関しては、動員は60億時点で500万人は超えているようです。*24

映画をどの映画館でやるかを卸す配給会社がONE PIECE(東映)と鬼滅の刃(東宝)では違うので、一概には言えませんが、 特典部数を決めるときにワンピースが基準になっていることは、ほぼ間違いないと推測ができます。 近年のワンピースよりかは売れる!と踏んだのかなあと推測はつきますね。

映画の来場者450万人分、普通は何週くらいで達成するの?

当初の予定ではワンピースくらい、と思っていたんだろうなあと見たときに思いましたが、では他の映画でも「450万人」という数字はどのタイミングで達成されるものなのでしょうか。

アナと雪の女王2

初週動員数が記録的だったアナと雪の女王2は

公開から17日間で動員は466万人、興収は60億円を突破*25

です。3週目の土日くらい(初週は金土日のみなので、平日2週+金土日3回)で450万人くらいかな

天気の子

同じく日本アニメでスマッシュヒットをした天気の子は、

8月3日~4日の国内映画ランキング(中略)間もなく累計動員は440万人、興収は60億円を突破する。*26

です。天気の子が7月19日に公開だったので、こちらも3週ちょっとで達成したと考えていいでしょう。

ONE PIECE FILM Z

先述した基準となったであろうONE PIECE FILM Zは

公開から3週目となる1月4日に興行収入50億円を突破したことがわかった。また、5日時点で興収52億8655万5200円、観客動員数439万7347人を記録しており*27

となっているので、こちらも4週目になる前には450万人を達成してると考えられるのではないでしょうか。

今日から俺は!!劇場版

2020年コロナ禍の作品はどうかというと、一番近い数字を出したのが今日から俺は!!劇場版。

10位の「今日から俺は!!劇場版」(東宝)は公開から10週連続でのランクインを果たし、累計で動員412万人、興収52億円と、息の長いヒットとなっている。*28

が映画ランキングでは最後の登場となってます。今日から俺は!!は座席割合の制限があった時期だったので、50億までに大体9週くらいかかってたんだな……

おなじコロナ禍とはいえ、映画館が期待を寄せまくっていた「鬼滅の刃」公開タイミングでは、大手シネコンだとイオン以外は金土日は全席販売になっていたため、またちょっと条件は変わっています。

以上いくつかの映画を見てきましたが、450万人分の興行収入は大体55-60億前後、勢いがある映画だと3週目の金土日が終わったタイミング、くらい だと考えられます。

最後に!言いたいのは!55-60億くらいっすねーと書きましたが、それだけの売上を上げる映画は、一年で公開される映画の大体上位10本程度しかありません!公開映画数がだいたい1300本ほどと考えると、ものすごいことなのです! 過去興行収入上位作品 一般社団法人日本映画製作者連盟

ちなみに実際の鬼滅の刃の売上

一週目

土日2日間で動員251万人、興収33億5400万円という歴史的記録を打ち立て、初登場1位を飾った。*29

二週目

累計では動員798万人、興収107億円を突破。公開から10日間で100億円突破という新記録を樹立した。*30

こんなことある!?(我妻善逸)

最初に450万部、という数字を聞いたときは「ワンピース以上狙うかあーやるねえー」と思ってましたし、私は3週目くらいまでは持たせるやろな、と思ってました!初週でなくならねーよ落ち着けとも言いました!こういう特典、都心部に多めに配布しておく傾向があるのですが、地方なんかだと初週の日曜とかになくなってたみたいですね、大変に申し訳ありませんでしたぁ!という気持ちでいっぱいです。

ぶっちゃけ制作側は何週くらいもたせるつもりだったのかいつか落ち着いたらどっかのインタビューで話してほしい…

本当公開前はそれくらに思ってたのがここまで化けるなんて……ああ怖い……今後の数字が怖い楽しみ…… 多分11月13日から4Dもやると思いますしね!!(※個人の予想です

こぼれ話

劇場版黒子のバスケについてはコミックス特典ではなく、色紙でした。近年では色紙的な特典はいわゆる「腐女子アニメ」または「男性向け萌えアニメ」の特典として配布されることが多い印象で、どちらかというといわゆる腐女子人気がとても高かった黒子はその流行に乗ったものと思われます。

またドラゴンボールの特典はカードが多かったです。こちらはゲーム連動型のカードで、男児人気が伺えます。 また、ドラゴンボール超ブロリーの特典に関してはフィルム風ステッカーで、近年オタクアニメの大人気特典で最後の方に「興行収入もうひと稼ぎ」で投入されるでおなじみのフィルム風しおりあたりを意識してるのではないかなと思います。 「ドラゴンボール超」入場特典に劇場版20作を振り返るフィルム風ステッカー - コミックナタリー

ドラゴンボール超ブロリーに関しては40億のヒットを飛ばし、また世界各国で上映したようで、Wikipediaの公開日のところにめちゃくちゃ国旗が並んでておもしろかったのでよければ見てください。 ドラゴンボール超 ブロリー - Wikipedia

それにしてもワンピースの映画50億売り上げるってすごいですね。97巻もコミックス出てるのに、どんくらいの割合で最新までコミックスまたはアニメでおってる人が見ているんだろう。

その点鬼滅は大人買いしやすい冊数で本当にありがたいな…(大人買いした人

劇場版 鬼滅の刃 無限列車編、10日間で興行収入100億円突破の歴史的快挙。全体的に桁違いだが先週比がすごい。

はじめまして。A.Iといいます。 それまでとても内輪のLINEやTwitterでやっていた映画の興行収入ウォッチ関連情報を、ストック型情報としてブログにまとめようと思って、始めてみました。

10日で興行収入100億円という歴史的快挙

さっそくですが、劇場版鬼滅の刃がすごいことになっています。 eiga.com

10月16日に全国403館(IMAX38含む)で封切られた「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」。週末3日間では観客動員約342万人、興行収入約46億2300万円を超える大ヒットスタートに。一部劇場では1日40回以上のフル回転で上映するなど異例の公開規模となり、16日は動員91万507人・興収12億6872万4700円、17日は動員127万234人・興収17億172万3350円、18日は動員123万9752人・興収16億5266万9400円となっていた。

16日の数字は、平日における日本国内で公開された映画の動員・興収ともに歴代1位。また17、18日に関しても、土日における日本国内で公開された映画の動員・興収が歴代1位となった。今回、24日は動員111万5182人・興収15億94万4600円、25日は動員115万7654人・興収15億4050万4150円を記録している。

これまで興収100億円突破の最速記録は、「千と千尋の神隠し」が01年に打ち立てた25日。「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、わずか10日間で、その数字を大幅に塗り替えるという偉業を達成した。

やはり「最速」というのが強調されていますね。今まで20年近く打ち破られなかった「千と千尋の神隠し」の記録。 それこそまさに「神」として降臨し続けているものでした。それが、とりあえず100億円突破の最速、の記録が更新されたのは、本当に歴史的快挙だと思います。

土日の売上先週比率がめちゃくちゃ高い

また、地味にものすごいのが売上先週比率。当たり前なのですが映画は週を追うごとに見たかった人が見終えた状態になるので、売上は下がります。 (細かいことをいうとそもそもシネコンの中でも、どんどん上映回数が減るので全体のキャパシティが減り、それに伴い動員数も減ります。)

売上(億円) 動員(万人)
一週目(16日+17日) 17+16.5=33.5 127+123.9=250.9
二週目 15+15.4=30.4 111.5+115.7=227.2
先週比(2週目/1週目x100) 90.7% 90.5%

なんとほぼ9割維持。めちゃくちゃ維持率が高いです。

例えば同じくジャンプマンガのワンピースSTAMPEDE

売上(億円) 動員(万人)
一週目*1 8 59.8
二週目*2 4.5 32.3
先週比(2週目/1週目x100) 56.2% 54%

去年大人に強くて最終興行収入142億売り上げた天気の子

売上(億円) 動員(万人)
一週目*3 11.8 83
二週目*4 10.1 70.4
先週比(2週目/1週目x100) 85% 84%

なんかよりも上回っています。

なんかSTAMPEDEはちょっと低めでれ天気の子は割と高めの数字だと思います(個人の感想です) 体感としては7割減くらいが普通かなあ、と思ってます。

近々で唯一(悲しい)のハリウッド大作、TENETの数字が割とそれっぽいですね。

売上(億円) 動員(万人)
一週目*5 3.2 20
二週目*6 2.4 14.5
先週比(2週目/1週目x100) 75% 72.5%

そもそも論として動員数が多すぎる

大体先週比が高い、というのは評判がよく口コミやマスコミの宣伝によって、「興味がなかった人が興味を持ち始めて動員が増える」というパターンがほとんどです。 その点でいうと、一週目から歴史的な快挙がを成し遂げた鬼滅の刃については、ニュース等でもものすごく話題になったこと、 また一週目で見た人の口コミもすごかったというのが伺えます。

鬼滅の刃公開直前に「シネコンでものすごい回数で鬼滅の刃をぶん回している*7」というので話題になったときに、「いやだってコロナじゃん?近くに人いてほしくないからばらばらと人がいる程度のほうが安心だからスカスカでもオッケーなんだよ!!」と思っていたのですが、まさかそれが地方込みで売り切れ館続出とは思わなかったのが正直なところです。どこにそんなにファンが……(その日の映画館にいたんだよ

ちなみに来週の10月31日は鬼滅の刃の二回目の舞台挨拶つきライビュの他、ヴァイオレット・エヴァーガーデンのライビュ、 そして11月1日は料金が安いファーストデー!宝塚歌劇のライブビューイングも! とにかく映画館は激混みだろうし、各シネコンの箱割担当者はきっと頭を抱えたことでしょう!

きっと来週以降もものすごい数字を打ち立てていくので、これからしばらくまだまだ楽しみですね。 そして、鬼滅で映画館に来た人がまた映画館に来てくれるといいな!

こぼれ話

先週比9割すげーんだぞ!というので比較として4アナと雪の女王2の数字を出してみたところ、

売上(億円) 動員(万人)
一週目*8 16.1 121
二週目*9 14.4 124
先週比(2週目/1週目x100) 89.4% 102%

むしろ動員に関しては鬼滅を上回る結果を叩き出していました。 これに関してはアナ雪2週目の日曜日が12月1日で映画が安いファーストデーだったので、多めに人が駆けつけた、という結果です。 人数は多いのに、興行収入自体は一週目のが多いのはそういうからくりになっています。

こぼれ話その2

アナ雪2や天気の子、といった100億超える映画で大事なのは口コミ等で「見に行く予定がなかった人が見に行く気になる」なのですが、今回の鬼滅の刃に関してはまさに私は完全に興味がなかったのですが、一週目の記録的な数字を見て「むしろ流行ってるらしいという理由で映画を見に行く体験をしてみよう!」とアニメ1話+その直前の土曜プレミアムでの蜘蛛山編+各種コラボ等でのビジュアル知識みたいな状態で初週月曜日に見に行き、しっかり号泣をし、その次の日にKindleで一気読みしました。 ガッツリアニメの続編である映画ですが、私のようにろくに知らない状態で行って漫画大人買いして帰ってくるパターンもTwitterでちょこちょこ見受けられるのが、鬼滅の刃のポテンシャルが高くて怖いところ!!!